
旧暦6月1日は、【むけの朔日(ついたち)】といい、大石田や最上地方では、昔から山から自然薯を掘ってきて食べた日です。
梅雨の最中で、当時田植え作業も終わり、草取り作業の頃です。
疲弊した体を癒やし、真夏に備えて滋養と強壮に特に良い「自然薯」を食べて疲れをとったそうです。
自然薯を食べると、ひと皮むけて丈夫になるといわれており、漢方名で「野山薬」や「山薬」と呼ばれ、昔から色々な効用が説かれています。
そんな【むけの朔日(ついたち)】に、奥の細道を旅していた松尾芭蕉が大石田に居たのです。 俳聖・芭蕉も曽良も自然薯を食べて元気に旅立ったものと思われます。

奥の細道に
最上川乗らんと、大石田といふ所に日和を待つ。
ここに古き俳諧の種こぼれて、忘れぬ花の昔を慕い、芦角一声の心をやはらげ、 この道にさぐり足して、新古二道。
このたびの風流ここに至れり
とあります。
清風、一栄、川水らのもてなしの心が、山形県に長く滞在させたのではないでしょうか。
(参照)大石田町新作物開発研究会 会長 海藤 明 資料より

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